陰活のススメ

陰陽論

人生の期間では、あまり表立って活躍しない、ゆっくりと穏やかに過ごして力を抜く…という期間というのが必要です。というか、表立って活躍する期間以上に「ひっそりと過ごす」期間は大事です。

僕は占いや自己理解ツールとして最初は西洋占星術から始めましたが、足りないと思っていた部分を補うために算命学も学び始めました。その中で一番知って良かったと思ったのは、「陰陽の法則」を理解できたことです。
陰陽の法則をものすごく簡単に言えば、「陰を時期を過ごした後は必ず陽がやってくる」「夜の闇、陽の当たらない時期はいつまでも続かない、明けない夜はない」ということです。逆に言えば「陽の時期の後には必ず陰になる」「良いことはいつまでも続かない」とも言えます。

そしてこの陰と陽は表裏一体で、陰の中で力を蓄えた分だけ、陽の力が強くなります。逆に陽の舞台で思いっきり活躍したら、その反動として陰に籠もり、長い潜伏期間が必要になります。
もし、社会的に成功したいとか、活躍したいとか、名を上げたいとか、何かしら目立った成果をあげたいのであれば、逆に潜伏して「陰」の力を蓄える期間が必要ということです。ずっと活躍し続けるということはできません。


算命学では、例えば大運天中殺がやってきた期間は陽ですが、それ以外の期間は陰です。大運天中殺がやってきた期間はエネルギーが高まり、活躍ができる時ですが、その期間を過ぎれば表舞台から去ってまた力を蓄える期間に入ります。また、大運天中殺で活躍できるかは、それまでの「陰の期間」にどれだけ力を蓄えたか、影の努力を重ねてきたかが大切です。

禄存星や車騎星、鳳閣星や龍高星などの星は「陽」であり、これらの星が命式に多い人は行動力があり大胆でエネルギッシュですが、持続力がありません。これらの星があり過ぎると、生き方が陽に傾きすぎてしまって、エネルギーを補給できず、常に焦点が定まらない生き方や、ガス欠に陥りやすくなってしまいます。

逆に調舒星・司禄星・牽牛星・玉堂星が命式に多い人は「陰」を大事にする人です。じっくりと着実に努力して、目立つことを好みません。こういうタイプは長い目で見て大きな成果を残すタイプです。しかし蓄えた自分の才能を役立てることが苦手なので、大運天中殺や「陽」が高まる時期を狙って、勝負する時はした方が良いです。


西洋占星術では、1〜6ハウスに星が多い人は陰タイプ。7〜12ハウスに星が多い人は陽タイプです。
そしてトランジットの木星や土星が7ハウスに上がってくる時期は「社会の表舞台に上がる時期」です。プログレスの太陽や月が7ハウスから上がってくる時期や、ドラゴンヘッドが個人天体に関わってくる時期も表舞台に立ったり目立ちやすくなる時期です。

逆にトランジットの木星や土星や、プログレスの太陽や月が地面に沈み、1ハウスに戻る時期や、ドラゴンテイルが個人天体に重なっている時は、自分のエネルギーが陽から陰に変化する時です。今までやってきたことがことごとく上手くいかなくなり、活動を縮小していく時期になります。今までアグレッシブに活動をしてきた人は、その時期には強制的に中断と見直しをされる時期になるでしょう。

この場合でも、のちにどれだけ活躍できるかは、トランジットやプログレスの主要な星が1〜6ハウスにある時に、どれだけ目立たない地味な場で、報われないような気持ちになっても、陰ながら努力をしてきたかで決まります。


大木を育てようと思ったら、土をしっかり耕し、時間をかけて育て、根をしっかり張らないと大きく丈夫には育たないのと一緒です。

潜伏してじっくりと力を蓄えることと、満を持して活躍していく時期とのメリハリを取ることが大事で、それが身を結ぶことを焦らないことが大事だと思います。陰のチャージの時間が短い人は、陽の期間になっても長続きしないからです。

むしろ、積極的に陰に潜む時間を増やすことが、良い生活を送る上でも、成功する上でも大事だと思います。
そのために「陰活」は日頃からちゃんとやっておくべきです。陰徳を積むとも言いますね。

その陰は自分のエネルギーをチャージするためにいつでも心掛けておくべきですが、潜むべき陰の時期や活躍すべき陽の時期がいつなのかは、占星術で読み解くことができます。


陰のための行動は、一番なのは「日常生活を豊かにする」ということです。ちゃんと休む、良い環境に住む、おいしい食事を食べる、良質な睡眠をとる、趣味に打ち込んでみる、何も考えずただ好きなことをしてみる、散歩をしてみる…等です。些細なことですが、これらに時間を割いてでも大切にするというのが、陰のパワーを上げることになります。

反対に、「日常生活をFacebookなどSNSに公開しすぎる」のはあまり良くないです。不特定多数に公開した時点でそれは社会や人の目に触れ、「表舞台に出される」ことになるので、陽になります。そうなると陰のパワーが減って、長い目で見ると自分のパワーがどんどん削られていくからです。
本当に大事な部分は、出すべき人にだけ出して、然るべき時が来るまでは動かずじっとしている方が良いのです。

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