戌亥天中殺は、日柱が1〜10の人です。甲子・乙丑・丙寅・丁卯・戊辰・己巳・庚午・辛未・壬申・癸酉の人が当てはまります。
戌亥天中殺を持つ人は、形のない、精神の世界で力を発揮して運を掴む人です。
無形の、精神的なことというのは、現実でガツガツしないということでもあります。
お金のために、出世や立場のためにあくせく働いたり、相手と戦ったり出し抜いたり、優位に立とうとしたり、人に見せたり飾り付けたりするために豪華なものを買ったり、などをしてもサマになりません。
現実であくせくする、モノで自分を満たして飾りつけるなどをする戌亥天中殺ももちろんいます。しかし最終的な人生のゴール、自分が真に満たされるのは、モノや金ではなく心や考え方など形に現れないところになります。
若い頃、30代より以前の頃は自分を探すために仕事や金のためにバリバリ働く時期もあるでしょう。その経験は決して無駄にはなりませんが、たくさん働いて稼いで、目標を達成した先に「自分が欲しかったのは、モノや金じゃなかった」と気づくようになります。
戌亥天中殺は、人間の魂でいえば貴族みたいな人たちです。
気品があり、自分の世界や芸術や文学に傾倒し、損得とは無縁の天上の世界で、仕事をせずに生きる。
前世の魂ではそんな人であり、そんな人が現実に四苦八苦しながら自分の理想の世界を描き出すことを夢見ているのです。
だから、あくせく働き現実に翻弄されるよりも、身辺を整えて静かに自分を磨くことです。
貴族と少し違うのは、戌亥天中殺は親や家の力を使うのではなく、親や家から自立して自分自身で生き方や考え方を見つけていくという点です。
戌亥天中殺は、親、生家や実家など、自分を育てて支えてくれる場所から離れて自立することで運が開ける自立運の人です。
無意識で自分の心は若い頃から自立に向かっています。
それは自分の心を、何にも縛られることなく解放する安住を求める性質がそうさせるのですが、若い頃はその理由を
「親から離れて自立して、そのためにはお金や経済力が必要だ。だからバリバリ働いて稼ごう」
となりがちです。自分の足で歩み始めた戌亥天中殺の人は、実際にお金は必要ではあるので、生きるために働きます。
しかし途中からそれに疑問を持ち始めるようになります。
しっかりと働いて貢献するほどに、これでよかったのか、本当に金や仕事がすべてなのか、違うんじゃないか? と考える時がやってきます。
そして、戌亥天中殺は本当は自分自身の心の平穏を求める人であり、心に品格と美しさを備えています。
戌亥天中殺の仕組み

戌と亥は、12支の中の最後の干支であり、戌は秋の終わり、亥は冬の始まりの季節を表します。
あらゆる生き物の活動が少なくなり、ひっそりと寒く静かな時期に向かっていきます。
生き物が休み始める季節や方位が戌亥天中殺には存在しません。中殺され、不安定になります。
生き物が休み始める時に地盤・立場がなくなり、そのぶん心が跳ね上がっていきます。
生き方のコツ
一見、地味な人が多いのですが、自分の考えていることをひとたび表現して伝えるようになると、ひときわ存在感が出てくる人が多いです。
無形の、精神世界で活躍する人なだけに、仮想空間であるネットやSNSでの本人が見えない部分で、大きく活躍している人も多いです。
たとえ現実的な実利のある世界であっても、戌亥天中殺は、自分が動き作り生み出しているモノに「何かしらのメッセージ」を持つことが大事であるように思います。例えばパンを作って売っているパン屋だったとして、そのパンを作っている意味や、パンひとつ一つに込めている想いやその先に描く理想の世界などなどを大事にするのです。
戌亥天中殺の人は特に、表に出ないメッセージを持って日々を生きて、自分の理想や描く世界観を大事にするべき人たちです。
「3人のレンガ職人」の話をググってみるとわかりやすいです。現実がなんであれ、人々の心に残る大聖堂を建てるという心がけが大事です。