60ある干支の中で、
上の天干と下の地支の組み合わせが自然な
組み合わせではない『異常干支』というのがあります。
その特殊な組み合わせと言われる異常干支は13あり、
そのうちの7つは、
天干の干支と地支にある干が干合している組み合わせで、
『暗合異常干支』と呼ばれます。
この異常干支に分類されるものが、
どういう仕組みで異常な性質を持つのか。
それを持つ人がどういう性質を持つのかを
順番に書いていきたいと思います。
前の記事で、
異常干支は地支によって偏りがあることを書いたので、
地支ごとに分けて異常干支の性質を書いていきます。
今回は、『子』の地支をもつ異常干支を書きます。
子の地支をもつ異常干支
子の地支を持つ干支は
甲子・丙子・戊子・庚子・壬子があり、
その中で異常干支は庚子。
暗合異常干支は戊子です。
地支『子』は最初の干支です。
方位は北の極。季節は冬の最中で、時刻は午前0時。
なにもない、ゼロイチの状態です。
ここから全てが始まります。
冬の最中で辺りは静かですが、
自然の草花や生物は地中深くで冬眠し、
静かに春に向けて力を蓄えています。
また人間は、動きが少なくても思考は働きます。
思考をするには、寒くて静かな方が冴えますからね。
考え、思い念じる。未来に想いを馳せて生み出す。
そういう方位や季節です。
子の月は12月〜1月の5日くらいまでですが、
ここではゆっくりして一年の計を考えたりしますね。
戊子
『戊』という干は、十干の中では山を表していて、
山のように険しくどっしりとしています。
土の五行なので、蓄積して財を蓄える力を持っています。
しかし異常干支である戊子は、
その戊の出方が極端に、普通の違う形で表れます。
地支の『子』は、
ものが起こる前の最初の干支です。
戊は、山であり土なので、
現実で色々と体験して確かな実績を積み重ねて
後になるほど人や金に恵まれていく性質ですが、
戊子は蓄積したり行動したりする前から
そういう性質を持っているようです。
『戊子』は、気分屋で気まぐれで自分勝手な性質に
育つと言われています。
しかし両親がいなかったり普通の家庭で育たずに
親や家庭が不完全な形で育てば
勝手な性質は出てこなくなります。
地支『子』を持つ場合は、
多くの人の中で生きるよりも孤独や静寂から
自分らしさを育んでいく宿命を持ってるものですが、
干支の構造から読むと、戊子の場合、
生まれつきマイペースで、人や物に恵まれる前から
自分のペースを崩さない性質が出るために、
それが行き過ぎると他人から見ると
マイペースすぎて身勝手な性格にもなります。
また、地支『子』は
1人でひっそりと始めて自分が利益を得るという
スタイルが生き方の鋳型に組み込まれています。
戊の天干を持っている人は土の干だけに
財運が強いのですが、
自分1人の財に限っては相当強く、
何かの利益や権利を独占している仕事や
地位を持ってることがあります。
庚子
『庚』という干は、十干の中では金属、
とくに刀や鍬や鋤、現代なら金づちや包丁を表していて、
工具や武具など使うことを目的とした金属です。
硬さや強さをもって「攻撃」することに持ち味があります。
だから丈夫であることが大事です。
しかし異常干支である庚子は、
その庚の出方が極端に、普通の違う形で表れます。
工具や武具、丈夫な金属は、
人に用いられることではじめて役に立ちますが、
地支『子』は冬の真っ只中の季節を表しています。
人はいません。
庚が使われる季節や時期は、
人が多く活動する春の寅や辰、夏の午、秋の申や戌です。
使われる機会のない刀剣を内包している
という意味を庚子は持っています。
庚子を持つ人は、両親に過保護に育てられると
内臓など健康面で異常が出ると言われています。
庚の潜在的な攻撃性が、
世の中へ発揮のしどころがなくなることで
自分の内側に向かってしまうんですね。
地支『子』は何もない自分1人から始める、
静かなスタートの場を意味するのですが、
庚子を持つと、何も始まっていない段階から
取り越し苦労で色々と考えすぎる面が出てきます。
思考や行動そのものは鋭く、先見の明があり、
人にピンポイントで刺さる切れ味を持っています。
心の浮き沈みが大きく
現実でもなかなか安定しないタイプなので、
厳しい環境や変化の激しい環境の中で
自分なりの哲学を持って生きること。
天干『庚』は
人や社会に揉まれて鍛えられて強くなるのですが、
庚子はそこのバランスを調節し、
自分で自分を律して鍛えていくのが大事です。
