60ある干支の中で、
上の天干と下の地支の組み合わせが自然な
組み合わせではない『異常干支』というのがあります。
その特殊な組み合わせと言われる異常干支は13あり、
そのうちの7つは、
天干の干支と地支にある干が干合している組み合わせで、
『暗合異常干支』と呼ばれます。
この異常干支に分類されるものが、
どういう仕組みで異常な性質を持つのか。
それを持つ人がどういう性質を持つのかを
順番に書いていきたいと思います。
前の記事で、
異常干支は地支によって偏りがあることを書いたので、
地支ごとに分けて異常干支の性質を書いていきます。
今回は、『亥』の地支をもつ異常干支を書きます。
地支に『亥』を持つ異常干支は4つと多いので、
2回に分けて書きます。
亥の地支をもつ異常干支
亥の地支を持つ干支は
乙亥・丁亥・己亥・辛亥・癸亥があり、
亥の干支の異常干支は癸亥以外の4つです。
乙亥・辛亥は異常干支。
丁亥・己亥は暗合異常干支と呼ばれます。
地支『亥』は12番目の干支で、冬の始まりです。
「終わり・その後」のような意味を持ってきて、
物質的な結果「収穫」の意味が出てくる秋の干支の
さらに後。
ある物を蓄えて、じっと冬を越して、
一年を締めくくる。
亥の地支を持っていると、物質や繁栄から離れて
個人の精神性を高めたり整理をしていくようになります。
異常干支の率が多いのも、
一般的な成功や繁栄とは違ったところに価値を置く
性質が出やすいのかもしれません。
己亥
『己』という干は、十干の中では平地を表しています。
土の行ですが、険しく自然豊かな山を表す戊に対して、
己は平地。人が住み、農地や耕作地にもなります。
あらゆる人が集まり、栄える基盤となります。
普段ほとんど意識しませんが、
人間の多くは平地に住んでいます。
目立たないけど人の生活を支え、
たくさんの人を受け入れる、
とても大きな縁の下の存在です。
しかし異常干支である己亥は、
その己の出方が極端に、普通と違う形で表れます。
地支『亥』は冬でありとても寒いところ。
人が集まり栄える所ではないです。
人が集まるような人当たりの良さ、
普通であることが良さの己とは違い、
自分の心とは裏腹に
周囲の状況や境遇が波乱含みになります。
変転変化が大きく、
自分を取り巻く環境は常に変化し続けていくような感じ。
人間関係を中心に安定することはなく、
変化していく方が運気が安定します。
『己』は、さまざまな人の受け皿となっていくのですが、
己亥の場合は、人や物質以外にその器を向ける傾向があるように思います。
霊感が強い干支の一つと言われています。
この場合、受け取る器や感覚が
人よりも異常に優れていることによるものです。
内臓、特に腸・腎臓などの消化と排泄器官は
弱りやすいです。
辛亥
『辛』という干は、十干の中では宝石を表しています。
同じ金の行では庚と辛がり、これはどちらも鉱物です。
強く頑丈で、武器や工具などに使われるのが庚。
それに対して辛が表すのは、
宝石やアクセサリー、装飾としての価値です。
鍛えられる庚に、磨かれる辛。
どちらも人の手による研磨が大切です。
そんな宝石を意味する辛に大切なのは、
特別であること。
一部でもいいので、価値のわかる誰かに見出され、
オンリーワンであることです。
磨かれた辛の人には、気品が宿ります。
しかし異常干支である辛亥は、
その辛の出方が極端に、普通と違う形で表れます。
辛の人には、その宝石の価値を見出され、
磨いてくれる人や環境が必要なのですが、
地支『亥』の冬の場所は寂しく、人もいない環境です。
鉱物、宝石である辛は、
同じ形であり、丈夫であることが大切です。
木や土は決まった形を持たず、
火や水は形を持ってません。
それに対して金は、形を持ってることが大事。
ヒビ割れたりしたら使い物にならなくなります。
これを人の人生に当てはめるなら、辛は
自分の基準やポリシーを持つのが大事ということです。
異常干支に属する人は総じて、
人に従ったり大多数の人が良いと思っていることも
自分にとっては良くない、基準が違うので、
自分で自分の基準を持ち、
人とは違った生き方を肯定して運が開けてきます。
辛亥の場合、自分らしい基準を曲げてしまうと
宝石にヒビが入って輝きが失われるように、
身体や自分自身の生活に支障が出やすくなります。
辛亥は、自分の身体に傷が残ったり、
肉体に異常が出やすいと言われています。
見方によっては
身体の反応によって自分の状態の良し悪しを計る
こともできるかもしれないので、
身体のセンサーを研ぎ澄ませて自分の生活を
デザインしてみましょう。
品性があり、美的感覚に優れているので、
自分のテリトリーを見つければ
オンリーワンな素質も目覚めてきます。
