異常干支について(3)乙亥・丁亥

算命学
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60ある干支の中で、
上の天干と下の地支の組み合わせが自然な
組み合わせではない『異常干支』というのがあります。


その特殊な組み合わせと言われる異常干支は13あり、

そのうちの7つは、
天干の干支と地支にある干が干合している組み合わせで、
『暗合異常干支』と呼ばれます。


この異常干支に分類されるものが、
どういう仕組みで異常な性質を持つのか。

それを持つ人がどういう性質を持つのかを
順番に書いていきたいと思います。




前の記事で、
異常干支は地支によって偏りがあることを書いたので、

地支ごとに分けて異常干支の性質を書いていきます。




今回は、『亥』の地支をもつ異常干支を書きます。

地支に『亥』を持つ異常干支は4つと多いので、
2回に分けて書きます。

亥の地支をもつ異常干支

亥の地支を持つ干支は
乙亥・丁亥・己亥・辛亥・癸亥があり、

亥の干支の異常干支は癸亥以外の4つです。
乙亥・辛亥は異常干支。
丁亥・己亥は暗合異常干支と呼ばれます。




地支『亥』は12番目の干支で、冬の始まりです。

「終わり・その後」のような意味を持ってきて、
物質的な結果「収穫」の意味が出てくる秋の干支の
さらに後。

ある物を蓄えて、じっと冬を越して、
一年を締めくくる。

亥の地支を持っていると、物質や繁栄から離れて
個人の精神性を高めたり整理をしていくようになります。

異常干支の率が多いのも、
一般的な成功や繁栄とは違ったところに価値を置く
性質が出やすいのかもしれません。




乙亥

『乙』という干は、十干の中では草花を表しています。

同じ木の行で、樹木を表す甲がありますが、
成長すると真っ直ぐ上に力強く伸びていく樹木に対して、
乙の草花は周りにワーっと生い茂る感じ。

綺麗な花をつけて、良い匂いがして、
虫をはじめ色々な生き物が寄ってくる。

日光にも水にも土にも恵まれてすくすく育てば、
辺り一面の花畑です。


そんな草花の乙には、樹木の甲とは違う
惹きつける『魅力』というものがあります。


しかし異常干支である乙亥は、
その乙の出方が極端に、普通の違う形で表れます。




地支『亥』は季節は冬の始まりで11月にあたり、
方位は日が当たらない北の方角。

日光も、暖かさも、花粉を運んでくれる虫もいない
寒い時期で、草木は枯れて葉を落とします。


そんな中に咲く草木や花。
不自然ですね。それが異常干支です。
本来咲かないような中で咲きます。


イメージで言うなら、キノコとか藻の類でしょうか。

カビているとか、じめっとしているとか
そういうのでは決してないですよ。


よく目にする草花であれば、
綺麗な花をつけて人目を惹きますし、
暖かい日光に良質な土壌、澄んだ水などが必要です。

それらを与えてもらえる環境で育ち、
自分も魅力を振りまく。
それが乙のイメージです。


これが乙亥。キノコみたいな植物だとしたら?
普通よりもある意味でしぶとくなります。

厳しい現実、人気の少ない冷えた場所で
逆に自分の居場所を求めるような性質となります。


お膳立てされた上でパァーっと咲く乙の中では、
自分なりの最適な環境の中で、
ひっそり目立たず縁の下で彩りを添える役目です。

あるいは、自分が表に出ているるときは
環境が異常になっていることも多いです。

自分の力をうまく使えない若いうちは、
環境に翻弄されることも多く、試練も多いです。

それでもしぶとく生きる。
花の乙の中では、雑草根性こそが強さとなる干支です。




乙亥の人は、『日座天中殺』という
生まれつきの天中殺を持っているタイプの人でもあります。

普通の結婚をすると、
家庭に波乱が生まれると言われています。


これは、安定や平穏を持ちにくいという意味です。
結婚ていうのは、現実を安定させるものですからね。

でも、自分の人生のどこかにある
不安定や波乱を受け入れる。それを乗りこなす。

結婚や家庭に不完全で不安定な要素を入れたり、
完璧ではないことを受け入れていく。

そういう心がけを持つことで
心や魂が安定していきます。




丁亥

『丁』という干は、十干の中では灯し火を表しています。

ロウソクに焚き火、ランプなどです。

丙は太陽で、自然にある火とは別の
人工の火。人間の手で使われる火。

現代では電気に電灯がいたる所にあって気づきにくいですが、
昔は暗くなったら、太陽が沈んだら辺りは真っ暗。

人間は自分の手で火を起こして
ランプや行灯に明かりを灯していました。


このことから、丁つまり灯りは、
人工の火。
暗がりを照らす火。
暖をとる火。

さらに特定の誰か、「人のための灯」と言えます。


しかし異常干支である丁亥は、
その丁の出方が極端に、普通の違う形で表れます。




丁の天干は、本来の性質は
特定の誰かを支えたり助けたり、助け合ったりして
心に寄り添い、暖かさを与える役目を持っています。

しかし地支の『亥』は冬の始まり。
人や生物の活気がありません。


丁は人の用いる火だけに、
他人との関わりと支え合いが大事なのですが、

地支の『亥』はそれもままならなくさせている感じです。


地支『亥』は、最も暗い場所でもあります。
暗い中でも、静かな中でも、それでも火を灯して
誰かの光になるよう懸命に生きる宿命です。

丁亥の人は、霊感など特殊な感覚が
生まれつき備わっていると言われます。
それは、肉親との縁が薄い孤独の中で開花すると言われます。

現実の地支である『亥』は暗い場ですが、
目に見えないものを見て、心に写し、
伝えていく役目があるのでしょうか。


自分の心は、灯火のようにゆらゆらとしてて
不安定であり、気分や体調も安定しません。

異常干支の括りの人たちは概して
そんな普通の安定からは程遠い要素を持っていますが、

丁亥は特に心理面に常に葛藤を抱える傾向があります。


うまいこと人間関係で理解を得られて、
環境が自分にマッチすることが大切。

そんなチャンスを見逃さないようにしましょう。


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