60ある干支の中で、
上の天干と下の地支の組み合わせが自然な
組み合わせではない『異常干支』というのがあります。
その特殊な組み合わせと言われる異常干支は13あり、
そのうちの7つは、
天干の干支と地支にある干が干合している組み合わせで、
『暗合異常干支』と呼ばれます。
この異常干支に分類されるものが、
どういう仕組みで異常な性質を持つのか。
それを持つ人がどういう性質を持つのかを
順番に書いていきたいと思います。
前の記事で、
異常干支は地支によって偏りがあることを書いたので、
地支ごとに分けて異常干支の性質を書いていきます。
今回は、『戌』の地支をもつ異常干支を書きます。
戌の地支をもつ異常干支
戌の地支を持つ干支は
甲戌・丙戌・戊戌・庚戌・壬戌があり、
その中で異常干支は甲戌・丙戌・戊戌の3つで、
甲戌・戊戌は異常干支。
丙戌は暗合異常干支と呼ばれます。
今回書くのは地支に『戌』を持つ異常干支ですが、
地支『戌』は11番目の干支。
季節は秋の暮れで、冬が迫っている時期です。
そろそろ生命活動が終わり、衰退を迎えることを示します。
甲戌
『甲』という干は、十干の中では樹木を表しています。
水を吸い日光に向かって、
ぐんぐん上に大きく伸びていく木です。
地面や環境次第で大きく太くもなります。
また、伐採して木材や燃料などの資源にもなります。
しかし異常干支である甲戌は、
その甲の出方が極端に、普通の違う形で表れます。
『甲』は、本来ぐんぐん伸びて
まっすぐ育っていくことに良さがあります。
適切な環境があれば
(日光が当たっているとか水はけが良いとか)
木はぐんぐん丈夫に育つように、
最適な環境を選んで身を置けば、
自分を存分に出してみるみる存在感が出てきます。
育つ生木じゃなくても、
木材など伐採して使うこともできます。
その場合は、人の手によって厳しく剪定されて
鍛えられて立派になるイメージです。
その甲がどんな場所で、どんな力に支えられて伸びるかは、
干支の地支でおおよそ知ることができます。
しかし甲戌の場合、
伸びようと大きくなろうとする樹木に対して
根を張ってる場所や季節は秋の終わり。
もう葉が枯れる頃です。
葉が枯れ落ちる頃に伸び育つ樹。
終わりを迎えようとする中でも、
味方が少なくて寂しくても、
懸命に伸びていく一途な力があります。
環境と人の助けによって育っていく甲の中でも、
この『甲戌』は独立する力と運が強く、
不完全な、恵まれない中で力を発揮します。
木が枯れていく晩秋の木の中で
すくすくと伸びている木があれば
それは目立ちますよね。
それと同じで、
人が寄りつかない普通とは違う環境で
自分の存在感が際立ちます。
『甲戌』は、家庭や親族、身内そして結婚が
安定しない干支と言われています。
普通の結婚や家庭生活を送ると
波乱が起きやすいです。
これを回避するには、結婚しても
子供を作らないとか財産を残さないとか、
海外婚をするとか定住しないとか、
「安定」をもたらすための
普通の結婚の形を取らないと良いと言われます。
丙戌
『丙』という干は、十干の中では太陽を表しています。
火の中でも、暖かさに光、熱といったもの。
太陽のように大きな光は誰が見てもわかり、目立ちます。
多くの人や場を分け隔てなく照らして暖かさを与えます。
しかし異常干支である丙戌は、
その丙の出方が極端に、普通の違う形で表れます。
地支『戌』は秋の暮れであり、方位で言えば北西。
戌の刻というのは、19〜21時のことを指します。
普通なら日はもう沈んでいる時間です。
太陽の光や熱は人や生き物、あらゆる自然に
活気を与えます。
そうやって人との関わりの中で
良さを発揮するのが丙です。
日が暮れても明るい。
悪く言い換えると場違いであり、
明るくすべき時とタイミングが人とズレやすい人です。
異常干支の『丙戌』は、
教養や理屈を身につけると人との関わりで
異常が出ると言われており、
教養や品性よりも、
庶民的に気楽に分け隔てなく付き合う関係が
良いと言われます。
目上の人を立てるとか、礼儀などを意識し始めると
ダメなんですね。
この丙戌の良さと明るさは、
自分が人を選ばない開けっぴろげな開放感にあります。
下町の水商売やバーにいるような感じ。
また弱いものの味方であり、
特定の誰かの光になる人でもあります。
戊戌
『戊』という干は、十干の中では山を表していて、
山のように険しくどっしりとしています。
土の五行なので、蓄積して財を蓄える力を持っています。
しかし異常干支である戊戌は、
その戊の出方が極端に、普通の違う形で表れます。
晩秋を表す地支の『戌』というのは、
活動を納めて店じまいをしていく。
やってることをたたみ始めていくという意味を持ってます。
終わりが迫っていてもなお、悠然としている。
蓄えていく、どっしりとしている。
戊の天干を持っていて、
地支が子や戌など寒い時期にある場合、
人がいなくても黙々とやることをやる、
集中力の高いマイペースなソロプレイヤーの気質が出てきます。
戊の天干を持つ人に漏れず、
蓄財に対する意識がしっかりとしているので財力があります。
基本、ソロで着々と積み重ねていくことをしていれば
自分の才能を発揮できます。
ただ、引きこもって他者と距離を取ったり、
自分が特別すごいのだと選民的な意識を持つと、
この干支は特に異常性が目立ってしまいます。
『丙戌』と同じで、
教養や理屈を身につけると人との関わりで
異常が出ると言われています。
戊戌は、秋の暮れの山。
この干支が示すように、
人が寄りつかない重いイメージがあります。
精神面で人を先導するよりも、
お金や物質、実績などの確かに存在するものを
頼りにする方が良いでしょう。
