宿命の冲と天剋地冲について(4)

算命学

前回の話の続きです。

天剋地冲について

天剋地冲は、冲に加えて、天干の十干が「相剋」になる関係です。 

12支と冲の関係図

この12支のうち、180度反対にある地支同士がある時、『冲』となります。これに加えて

五行・十干の相剋の関係図

その同じ柱の天干の部分に、図で示したような相剋の関係があると、それは冲の中でもさらに特殊な『天剋地冲』という命式になります。

冲は、「お互いの価値観が違う中で努力する」という宿命を持っていました。地支の違いは、いわばお互いの足場や基盤、根っこの環境の違いなので、そういう性質が出やすくなります。

それに対して天干は、その足場の上に立つ自分自身の「気質、思考、感情、性格」などに関わります。いわば本人のパーソナリティですね。 

天剋地冲の、相剋の関係について

この天干は、木火土金水5つの五行によって成り立ち、陽と陰に分かれて十干となります。この十干の相剋の関係は、片方の気質がもう片方の気質を攻撃し、弱めます。弱め、弱められる関係が相剋になります。

この相剋の関係にある五行は、お互いに居心地が悪いと感じ、特に片方がもう片方にプレッシャーをかけられたり攻撃したりします。 

当然、基本的な相性は悪いことになりますが、これは一方で「厳しく躾けられる」「自分が増長せず謙虚になる」などの利点も持っています。なので、あまり楽な関係でなくても相手が立派にしてくれたり、適度な緊張感が能力を高めてくれたり、学びになったりします。 

天剋地冲の仕組み

『天剋地冲』は、「天(天干)がお互いに剋されていて、地(地支)もお互いに冲されている」から、天剋地冲と呼ばれます。

地支の土台がお互いに全く別の冲で、しかも天干も気がかみ合わない相剋ですから、この関係は基本、全く合うところがありません。



前に『冲』について説明した時に、日本とブラジルのような、「地理的に全く正反対にいる両者が一緒の家に住んでいる状態」が冲だと書きました。そして、そんな文化も環境も違う両者をどうにかして結びつけるような力も、冲の命式を持つ人は持っています。

しかし天剋地冲のように、お互いの気質・パーソナリティーも相剋で、相容れない関係の場合、「文化も価値も異なっている両者が反目する」ような様子になってきます。相剋は、基本的に剋する関係にある方が剋される方を律したり躾けたり、一方的に支配したりもする関係です。
そうなると、文化や価値観の異なる者同士が、一方を一方的に押さえつけたり、マウントを取るような形になってきます。しかもその相手は自分の言葉や常識も通用しません。

行ってしまえば、気に入らない者同士が、コミュニケーションも取れないまま一つの家で共同生活をしているようなものです。
考えただけでキツそうですね。

天剋地冲を持つ人の特徴

天剋地冲を命式に持っている人は、それほどの違いのある二つの人格が同居しているような状態です。当然、折り合わず相反する二つの人格を統合するため、ものすごく自己葛藤がある人が多いです。

相剋の関係は、一方が強い影響力を発揮して強引に躾け、支配しようとする傾向も出てきます。
人格の出方で言えば、良い面では、強く自分にルールを課して律しているとか、他人に対して強い影響力、カリスマ的な存在感を持つ…などです。悪く出ると、人を支配してしまったり、逆に人やルールに過度に依存してしまったりします。



天剋地冲を持つ人は、その相剋関係がより生々しく出てきます。地支という土台すらも全く違っているために、力づくで押し通そうとする感じです。
なので、これを持っている人は「良く言えば魅力やカリスマ性があり、悪くいうと人の運気を吸い取り、トラブルを起こしやすい」などと言われます。



天剋地冲を持っている人は、多くの対人関係で挫折を経験している人が多いです。自分で引き寄せているものもあれば、知らずに巻き込まれることもあるでしょう。
必ずしも天剋地冲を持っている人が騒動の引き金になるわけではありません。でも、自分自身の放っているエネルギーからすると、その騒動すらも自分が無意識に望んで引き寄せたものだったりするのです。

それほど天剋地冲を持っている人の内面は扱い辛く、厄介な性質を持っています。

ここまでで、天剋地冲の悪く厄介な部分しか書けなかったので、次回は良い部分を書いていきます。

宿命の冲と天剋地冲について(1)

宿命の冲と天剋地冲について(2)

宿命の冲と天剋地冲について(3)

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宿命の冲と天剋地冲について(5)

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