宿命の冲と天剋地冲について(3)

算命学

「冲」を持つ人は、対人関係やコミュニケーションでやり辛さを抱えています。 

『冲』の関係にある柱同士は、お互いの価値観、前提、文化の違う異国の人と努力をして歩み寄らなければならない…というような関係にあります。 
自分自身を家と例えるなら、その家に相反する生活様式を持った人が同居していると言えます。 

冲を命式に持っている人は、そんな複雑さを生まれつき持っています。 

12支と冲の関係図

『冲』がそれぞれの柱に影響があるとき

どことどこの柱が冲の関係にあるかによりますが、日柱は「自分自身と相手、人との関わり方全般」を表します。月柱は「自分の現実面での状況や、得られる成果」を表します。年柱は「自分のルーツや精神的な支え、拠り所、行動原理」などを表します。

日柱にある『冲』の影響

日柱は自分が人とどういった関係を結ぶかに関係してくるので、日柱に冲があると影響が強くなります。 

日柱が冲になってて他の柱と関わっていると、その不安定な関係を自分で自ら作り出す、自分自身が問題のもとであることが多いです。 

日柱と月柱の『冲』

日柱と月柱が冲の関係だと、自分の思いや意思が、仕事とかの経済活動、現実的な部分で身を結び難くなります。思い通りにいかない。うまく事を運ぶのに苦労をするという具合です。 

日柱と月柱の『冲』

日柱と年柱が冲だと、自分と親との関係でギクシャクしたり齟齬が起きたりします。また自分の言動に一貫性を持てず、考えがブレやすくなります。これは「親などの自分のルーツや精神的な支え、拠り所」といった年柱の部分が、自分自身の足場と食い違うからです。 

月柱と年柱の『冲』

月柱と年柱が冲だと、「現実や成果、未来」を表す月柱と「精神、ルーツ、過去」を表す年柱が食い違います。こうなると自分をとりまく境遇が安定しなくなります。自分自身を表す日柱が関わっていないので、この場合は自分自身が原因というよりも、周りの環境によってなし崩しに不安定な境遇になっていることが多くなります。

「過去」と「未来」の土台や環境が正反対の関係にあるので、大きく生活環境が変わったり、転勤転職、引っ越しや移住なども増えてきます。 

『冲』を持つ人の長所、持ち味

算命学を深く理解していない人は、『冲』は凶の相だと決めつけて「悪い」としてしまいますが、その冲の仕組みを辿っていくと、そんな単純に凶だと決められるものではないのです。 
ここからは『冲』を持つ人の長所、持ち味を説明していきます。 

相反する価値観を持っているということは、対立する両者の気持ちを汲み取れるということです。どちらの考えも理解を示しつつ、二つを一つにまとめる力を持ちます。これは、普段から自分自身が相反する感情の葛藤を味わっているからできることです。 

また、上手くいってると思っていても、普通の命式を持つ人と違って油断をしません。冲を持っている人は、平穏な環境にわざわざ問題や災難を持ち込むとも言われますが、見方を変えれば、危険や問題点にいち早く気がつき、好調の時でも常に最悪の事態を想定することができます。 

自分自身の器が大きければ、多方面からの考えを柔軟に吸収して、本来混ざり合わないものでも、両者の良いところを見極めて取り入れることができます。
また、一箇所の環境に安住する事を良しとせず、ある時は全く別分野の知識や体験でも積極的にモノにしようとします。行動力のある人なら、多方面で活躍ができる人になります。 

実際、冲を持っている人は、普段からは想像でいないような別の一面や、意外な趣味を持っていたりします。 

このような冲の性質を活かすためには、平穏に変化をせずに過ごすのではなく、少しスリルや問題、対立のある環境にあえて飛び込むのも良いです。また、職場環境も仲良しや一体感、身内色が強いところではなく、議論を多く戦わせて多様な人がいる場所の方が、やりがいを感じるでしょう。 

次回は、冲の応用である『天剋地冲』について書きます。

宿命の冲と天剋地冲について(1)

宿命の冲と天剋地冲について(2)

宿命の冲と天剋地冲について(3)←Now

宿命の冲と天剋地冲について(4)

宿命の冲と天剋地冲について(5)

コメント

タイトルとURLをコピーしました